改憲を止め、日本国憲法を活かす

第2期憲法学習のつどい全3回の内容を講演集としてまとめました。

(砂町の会ブックレット2)

A5版 全96ページ 頒価500円

まえがき より

安倍政権が安保法制=戦争法を強行して1年半、立憲主義破壊の政治はとどまるところを知らず、今や監視社会化と戦争する国づくりの一里塚=共謀罪法案の強行が狙われています。安倍首相は任期中に憲法改悪を「使命」とし、2016年参院選直後には、「自民党改憲案をベースに3分の2を構築するのが政治の技術」と述べ、衆参両院の憲法審査会で議論を加速させようとしています。
これに対し、「戦争法の廃止を求める砂町の会」は、安倍政権の改憲の動きにどう立ち向かうかを話し合い、2016年10月~12月、第2期「憲法学習のつどい」を企画しました。安倍首相が「戦後レジュームからの脱却」、日本国憲法を「押しつけ憲法」と攻撃するもとで、労働者教育協会長・現代史家の山田敬男さんに「日本国憲法は『押しつけ憲法』か――日本国憲法の歴史的精神」を、自由法曹団元幹事長・弁護士の長澤彰さんに、改憲のベースにするという「自民党改憲草案はいかに危険か」を、全国革新懇代表世話人・弁護士の杉井静子さんに、いま政治に活かすべき「日本国憲法の先駆的で豊かな条項」について、素晴らしい講演をしていただき、確信が大きく広がりました。
講師とこの出版を快諾され、講演を加筆・補強していただいた山田敬男さん、長澤彰さん、杉井静子さんに、この場をお借りして、あらためて感謝申し上げます。
日本国憲法施行70年を迎え、市民運動から生まれた「砂町の会ブックレット2」が、江東区の人々をはじめ多くの皆様に読まれ、安倍政権下での憲法改悪に反対する市民と野党の共闘、日本国憲法を政治にいかす国民運動に一助となれば幸いです。
2017年4月

目次

■日本国憲法は「押しつけ憲法」か――日本国憲法の歴史的精神を考える・・・山田敬男
はじめに
第1章 日本国憲法の歴史的精神
第2章 民主化と治安維持法体制の崩壊
第3章 旧支配層の「改正」作業
第4章 政党や民間の憲法構想
第5章 GHQ民政局の憲法草案の作成
第6章 帝国議会での攻防
第7章 日本国憲法の特徴と歴史的意義
おわりに
■自民党改憲草案はいかに危険か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長澤彰
はじめに
第1章 憲法審査会の始動と野党4党合意
第2章 自民党改憲草案とその問題点
第3章 日本会議をどうみるか
■日本国憲法の先駆的で豊かな条項を学ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・杉井静子
第1章 現代憲法のなかでも世界に誇るべき最先端
第2章 「押しつけられた」ものではない
第3章 世界の近代憲法の流れ、発展のなかで生まれたもの
第4章 ニュースを憲法の視点から見る
第5章 安倍政権は明文改憲をねらう
第6章 憲法を活かす国民のたたかい
第7章 立憲主義を支えるもの